こんにちはSMOKERです。
日本の伝統文化の象徴である「漆」。
お椀やお箸・そして重箱など様々な用途で使われている日本人には馴染み深い天然の塗料であり、接着剤の役割を果たしています。
食器や家具・壁や床材・楽器などの「漆」の塗料には光沢の美しさと強靭さにより長年使っても見劣りしないのも魅力ですよね。
他にも「漆」は顔料として用いられ甲冑や建造物の装飾にも使われているのはご存知でしたでしょうか。
そんな「漆」を顔料としてふんだんに使う世界遺産「日光東照宮」には、漆を操る「塗師(ぬし)」という職人さんがおられるのです。
中でも高い技術力とともに、長年に渡る漆塗りの研究により「塗師」の中でも一流の「佐藤則武(さとうのりたけ)」さんは長きにわたり「日光東照宮」を守り続けできた方なのです。
では「塗師・佐藤則武」さんとはどんな方なのでしょうか。
佐藤則武さんの人物像。
【#プロフェッショナルとは 】
「自分の仕事を好きになれば、いろんな人の輪ができて自分を育ててくれることにつながると思うので、やっぱり自分の仕事を好きになるのが原点だと思います。簡単に言えば、漆ラブ。それが自分にとってはプロフェッショナル」#NHK #プロフェッショナル #塗師 pic.twitter.com/YeGkZjATz4— プロフェッショナル仕事の流儀 (@nhk_proff) February 5, 2018
1949年山形県出身。 72歳(令和3年現在)。
学歴:塗装の専門学校卒業。
職業:日光社寺文化財保存会。
中学生の時に働きづめの父親の仕事をする姿を見て、自分も父親の歳になったときに「おれはこれをやってきた!」といえる仕事がしたいと心に決めたという「佐藤則武」さんは、一旦は内装の会社に勤めていたのだそうです。
時代が違えど、一本筋の通った職人気質は若かれし頃から持っていたのでしょうね。
100年残る仕事がしたく、日光で漆職人を求めている事を知り、23歳の時から職人修行を始めたのだといいます。
もともと美術が好きだったそうで、「漆」の仕事にのめり込み自分なりの勉強も欠かさなかったそうです。
1972年に「日光社寺文化保存会」で仕事を始められた「佐藤則武」さんは、漆塗専門技術者として現在でも世界遺産「日光東照宮」を守り続ける職人であります。
漆塗り以外にも施工管理から調査研究もされ、職人としてだけではなく正に「日光東照宮」の守護神的な存在でもあるのではないでしょうか。
塗師(ぬし)とは?
塗師といっても現在ではあまり聞き慣れないですよね。何かを塗る仕事をされる方と何となくわかりますが、どのような方を云うのでしょうか?
実は江戸時代以前から用いられる古称であり、「漆芸家」のことなのだそうです。
木地師(腕や盆の木工品を作る職人)や蒔絵師(装飾する職人)などに対して「漆」を塗る職人の事を指します。
「漆」に関わるありとあらゆる事をご存知なんでしょう!古くから伝わる伝統技術を継承させていくにも重要な方達であるのは間違いありません。
輪島塗の輪島キリモト8代目がハイブランドと繋がる。
佐藤則武さんの経歴。
5月8日(土)夜10時 #Eテレ #SWITCHインタビュー達人達 #木村多江 ×#佐藤則武 幸薄い役では右に出るものがいない?と称される女優・木村多江が世界遺産・日光東照宮を訪ね出会ったのは塗師・佐藤則武。東照宮で漆を使った修復を専門とする職人だ。 pic.twitter.com/5LRD4g72mC
— NHKスイッチインタビュー (@nhk_switch) May 2, 2021
50年近く世界遺産「日光東照宮」と関わってきた「佐藤則武」さんの経歴は素晴らしいものがあります。
数十年おきに、漆塗り、彩色、錺(かざり)金具を中心とした修復が続けられている「日光東照宮」でありますが、世界遺産を含む103棟の漆塗部分を「佐藤則武」さんは漆塗技術者として修復にあたっています。
しかも、いったんは廃れかけた「漆掻き技術者」の育成や漆に関わる人達にとってとても大きな存在となっております。
佐藤則武さんの技術。
#プロフェッショナル仕事の流儀 日光東照宮の修復に携わる漆塗り職人、塗師(ぬし)の佐藤則武さん始まった。漆塗りは室内作業でも天気で微調整が必要なのに、屋外作業は本当に大変でしょう。自然とともに、自然に合わせるとは至言。先日お参りした日光は輝いていました。 pic.twitter.com/4o9h9cEF1a
— 新井あずき (@busaik) February 5, 2018
「漆」には、変わった特性があるそうで、湿度が高ければ高いほど速く固まるのだと「佐藤則武」さんはいいます。
天然の素材でもある「漆」は、採れる時期にもよって性質が異なるため「試し塗り」が非常に重要な作業になるのだそうです。
そして時期に合うベストな「漆」を選ばないと、見た目も強度もいい塗りにはならない事もあり、細心の注意を払わなければならないといいます。
塗る技術よりも「漆」の時期による性質を見極める技術の方が大切なんですね、生き物を扱うのと変わらないのかもしれません。
天然の素材だけに、自然に合わせることこそ、「塗師」としての醍醐味なんだとか!
生粋の職人魂をお持ちの「佐藤則武」さんでありますが、それでなければ世界の文化財を守っていくことなど不可能なんでしょうね。
いかがだったでしょうか。
一概に「漆」といっても、様々な方々の関わりにより素晴らしいものへと変貌を遂げることがわかります。
塗師を含め漆器や蒔絵など「漆」に関わる職人達が減少していってる傾向にありますが「佐藤則武」さんのような方々に奮起してもらい、今後の素晴らしい日本の文化を残し続けて頂きたいと願います。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
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