元井秀治は鋳物師として梵鐘を作る。歴史や作品・ウィスキーにも?

こんにちはSMOKERです。

お寺にある物を想像する時に思い起こすのは何があるでしょうか?

人それぞれではありますが、お坊さん・木魚・釣り鐘などを思い浮かべる方が大半であるかと思います。

釣り鐘といえば、大晦日の「除夜の鐘」ですよね!108つの煩悩を取り去って新たな気持ちで新年を迎える、年末年始の風物詩でもあります。

一般的には、釣り鐘と把握している方も多いでしょうが(私も含め)、本来は「梵鐘(ぼんしょう)」というのはご存知でしょうか。

戦時中には、砲弾・兵器生産の銅や鉄不足に陥り補うために全国の寺院から「梵鐘」が集めらた事は聞いた事がある方もおられるかと思います。

そんな虚しい歴史もある「梵鐘」を製作されている、株式会社「老子(おいご)製作所」の14代目代表取締役「元井秀治」さんは、今後の日本の伝統を受け継ぐ上でも大切な方でもあります。

では「元井秀治」さんや150年以上も「梵鐘」を製作し続ける「老子製作所」に迫ってみます。

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元井秀治さんの人物像。

1956年富山県高岡市出身。 66歳(令和3年現在)。

職業:鋳物師(いものし)
   株式会社「老子製作所」代表取締役。

子供の頃から工場が遊び場だったという「元井秀治」さんは、平和記念式典の日には必ずテレビの前で鐘の音を正座して聞かされていたといいます。

そんな環境の中で育った「元井秀治」さんは、自然と「梵鐘」や「鋳物師」としての技術や考えを見に付けていったようです。

老子(おいご)製作所の作る標準型は7代目であった「老子次右衛門」氏の設計をそのまま受け継いでいるのです。

「梵鐘」の重要な所は「音色の余韻の長さと唸り」なのだそうですが、現在においても何も手を加えることもなく、完成されたものと「元井秀治」さんはいいます。

代々受け継がれてきた技術が7代目で完成されること自体凄いことではないでしょうか!それから更に14代目まで変化や手を加えなくても良いと納得出来てしまう技術は、中々職人としても難易度の高いように感じます。

「元井秀治」さん曰く「梵鐘」は”感動製品”なんだそうです。その為に「老子製作所」では、平和を願う鎮魂と慰霊の鐘を作っているのだと言います。

鋳物師(いものし)とは?

鋳物師とは「いもじ」ともいわれ、銅や鉄を材料としておもに生活用具を鋳造する職人の事を指すのだそうです。

その技術は、鍛造・鍛冶とならんで始められていて、やがて鏡作り・金仏工といった工人も生まれました。

鋳物師と鍛冶とともに専業化したのち、おもに鋳物師は鍋や釜といった生活用具やくわやすきといった農機具なども作っていたといわれます。

「梵鐘」だけではなく、様々な分野との関わりや製作もあり、奥が深い職人でもあります。

老子製作所の歴史。

現在では、国内生産の約70%近くを占める「梵鐘」の大手メーカーでもある「老子製作所」は、400年近く続く高岡銅器の歴史と共に数々の名鐘を作って来たのだそうです。

初代が老子(おいご)村の出身という事もあり、明治元年から「老子」を屋号として名乗ったのが始まりといいます。

明治の中頃から「梵鐘」を作り始め、法人になったのは昭和23年、屋号は今でも「老子時右衛門」として代々受け継がれているのだそうです。

「老子時右衛門」は鋳物師の銘で、老子の「梵鐘」のほとんどに”高岡鋳物師”「老子時右衛門」の銘が入っています。

梵鐘以外にも、仏像・カリヨン・モニュメントまで製造されていて、鋳物の総合メーカー的な部分も持つ会社なのです!

歴史も凄いですが、全国の「梵鐘」がほとんど「老子製作所」で作られているのも驚きですよね!

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老子製作所の作品。

広島の平和の鐘や京都西本願寺の梵鐘、成田山の新勝寺の梵鐘も手掛けられています。

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ウィスキーにも鋳物製?

板金加工が当たり前のウィスキーの蒸留器をあえて鋳物で作ってしまう世界初の試みを「元井秀治」さんは成し遂げます。

ウィスキーの蒸留は原液から雑味(硫黄成分)を除去する工程において、銅製の蒸留器に原液を入れ加熱し、原液中の硫黄を銅に反応させて除去するそうですが、熱の伝導率が重要であったために銅の薄板で板金加工が一般的だったといいます。

しかし、技術の向上により熱伝導率に拘る必要もなくなり、逆に蒸留器が肉厚の方が良くなったといいます。

そこで「元井秀治」さん率いる「老子製作所」の鋳物の技術を生かす事となったようです。

薄さを求めていた蒸留器から真逆の肉厚の蒸留器になるとウィスキーの味にどのような変化が生まれるのか是非飲み比べをしてみたいものですね!

いかがだったでしょうか。

悲しさや虚しさの歴史もある「梵鐘」ですが、それ以前から日本人のどこかしらの心に、響いてくれている存在でもあるのではないでしょうか。

毎年恒例の「除夜の鐘」や「平和記念式典」での鐘の音をもう一度噛み締めて聴く姿勢を持っていかなければと思います。

最後までお付き合い頂きありがとうございます。

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